小売店スタッフを辞めたかったえりぞうさん(33歳・女性・宮崎県)が転職した体験談です。
仕事内容 | コンビニエンスストアの店長代理から県の福祉職(高齢分野)に転職 |
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年収 | 180万円から230万円にアップ |
夫と共にコンビニを運営
当時結婚していた夫と共に、義母の友人が開業するコンビニエンスストアに雇われました。
夫が店長、自分が店長代理の名目で仕事を行いました。
業務としてはアルバイトのシフト管理、商品管理、発注、販売、清掃、売り上げの清算業務、各種研修会参加などを行っていました。
自分の店に関する販促、pop作成なども行いました。
本部職員とともに県全体で実施するイベントの販売計画を行ったり、ラジオCMに参加したこともあります。
お中元やクリスマスなど大きな行事の時には、オーナーの関係企業や近所の子供会などに商品配達も行いました。
10年が一区切りになっており、2回目の更新(仕事開始から10年後)をきっかけに別の仕事に移ることにしました。
子供に迷惑をかけてしまった
夫婦二人で働いているので24時間顔を合わせており、子供の行事参加などがあっても二人同時に忙しい時期が重なることがありました。
仕事に関しても、アルバイトは大学生が多かったため大学が休みになる長期休暇中は休む人が多く、こどもと外出することも難しく、夏休みの思い出らしいものはほとんど作れていません。
子供が帰宅する時間には自分が仕事をしていることが多く、夫は自分と入れ替わりに夜勤をしていたため家の中にいてもどっちかが寝ていることが多く、日中夫が家の中で寝ているので子供の友人が遊びに来ることも難しく、迷惑をかけてきたと思います。
ですが何といっても、そこまで家庭全体に影響がでているのに給料はアルバイトと変わらず、ボーナスや社会保険の加入が難しかったことが一番の原因だと思います。
子供を扶養に入れてもらえる職探し
ヘルパーの資格をとり、パート就労を行って実務経験を積みました。
その後県社会福祉協議会が行っている福祉職の人材派遣登録(福祉人材バンク)に登録し、正規職員での求人を紹介して頂きました。
対応頂いた受付職員から、県職員であれば年齢制限の範囲内で、試験の結果次第で正規雇用されると説明を受け、一般職の採用試験対策を行って受験しました。
県職員採用試験を受けた結果無事合格し、福祉職の正規職員として県に採用されました。
年収が200万以上であることと、ボーナスが付いていること、子供を扶養に入れてもらえること、社会保険や雇用保険に加入できること、有給休暇があること、福祉職としての正規雇用経験や、ヘルパー以上の資格がなくても雇用されることを条件に探しました。
オーナーの反対を押し切って退職
仕事を辞めることを店のオーナーに説明するときに、辞めたら職場が回らなくなると止められました。
ですが給料やこどもとの時間、夫婦でともに働くことによって24時間仕事の話しかしないことなどを考えると転職せざるを得ないので、半ば押し切る形で退職することにしました。
子供が自分に用事がある時には店に来ればいつでも自分がいたのですが、転職することで、仕事中に子供とやり取りできなくなるので、そこは少し抵抗を感じました。
ステップアップのため自主的に活動
今の仕事は月10日休暇があり、不定休のシフト制で夜勤があります。
業務内容は一般の高齢者施設と変わらず、利用者の介護(食事や排せつ、入浴など身体的な介護)や、施設内の清掃、職員研修の参加、臨時職員を含めたスタッフの管理、実習生の実習対応、家族との連絡調整、消耗品の発注、ケアプランの作成、行事の企画、当日の運営、通院時の付き添い、ターミナルケア、来客対応、防災訓練の計画や実施など、様々な業務を行っています。
また、上司からの指示以外にも自分自身のステップアップのために自主的に研修会に参加したり、書籍購入なども行っています。
正確には業務には含まれませんが労働組合の運営、団体交渉や組合間の行事にも参加しています。
県職員は福利厚生がしっかりしてる
立場上は県職員になるため立場が保障されていて、賃金も昇級があり、ボーナスも必ず支給されます。
また、労働組合の力が強いため産休や介護休暇など、一般企業ではとりにくい労働者の権利についても補償されています。
賃金については飛躍的にあがったことと、ボーナスが保障されているため車の購入など大掛かりな費用についても心配せずに済むようになりました。
また、県職員ということで社会的な立場も補償されており、ローンが組みやすくなりました。
有給休暇についても年間24日と、かなりの日数が保障されています。
また、交代制勤務で夜勤があるため、夜勤明けの日の次の日に休暇をとり、その次の日に再び夜勤に入る、という勤務体制をとることで、実質2日近い自由時間を確保できます。夜勤体制のおかげで通信教育で学校に入り、スクーリングに参加することが出来ています。
想像と違ったこととしては、資格に関係なく試験の結果のみで採用されるため、福祉職と言いながら上司や同僚に無資格者が多かったことです。
本来実務経験のみで取得可能な資格があるため、向上心があれば資格所得者が一定数いるはずですが、雇用が安定しているために試験を受けてステップアップを図る人が少ないように感じています。
家庭内の話題が仕事だけにならないために
仕事が上手くいっている時の達成感はありますが、賃金や、そこに費やされる拘束時間を考えると割に合わないように感じます。
また、夫婦二人で営業する形態が多くみられますが、二人で同じ仕事をしているということは、上手くいかないときには夫婦二人で路頭に迷うリスクもあります。
家庭内での話題も仕事のことに限られがちです。思いきって離れることをお勧めします。
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