自治体の情報管理部門に転職!意外と面白い|作業療法士を辞めたい人の転職体験談

作業療法士を辞めたかった杉本彩子さん(35歳・女性・奈良県)が転職した体験談です。

仕事内容 総合病院の作業療法士から市役所の情報管理部門に転職
年収 450万円から300万円にダウン

普通高校卒業後、専門学校を経て作業療法士に

普通高校卒業後、専門学校(作業療法士養成校)に進学して規定の3年間のカリキュラムを履修後、国家試験を受けて作業療法士になりました。
作業療法士の職域は子どもからお年寄りまで、また身体障害から精神疾患までと比較的広いので、卒後すぐのうちから数年ごとに転職して計画的にキャリア形成をしていくつもりでいました。

そこで、精神科専門病院や在宅医療を経験しながら総合病院に就職し、総合病院では整形外科疾患の手術前・手術後のリハビリや退院後の外来でのフォローアップ、神経内科疾患である進行性神経難病のリハビリや生活指導、終末期の緩和ケア(ご家族のケアを含む)などに携わっておりました。
経験年数を合計するとおおむね20年ほどになります。

職場結婚をしたため、勤め続けるのは困難に

当時勤めていた総合病院を退職したのは結婚のためでした。
私自身は職場に対して特に不満はなく、むしろそれまでの職場のなかでは働きやすい良い職場でしたので辞めたくなかったのが本音です。

自分で言うのもなんですが、作業療法士は天職だと思っていたので作業療法士自体も死ぬまで続けたいと強く思っていました。
しかし職場結婚でしたので、結婚後も勤め続けるのは困難でした。

明文化されてはいませんでしたが職場が夫婦とも雇用するのを良しとしていなかったのです。
そのため、夫か私のどちらかが退職しなければならない状況でした。

また、個人的な事情として、結婚して転居したところから通勤して家事も育児も行なうのは難しいことなどから退職を余儀なくされました。

作業療法士の募集はなく、転職活動には数年かかった

転職活動には数年かかりました。
まずはハローワークに出向いて求人情報を調べました。ハローワークでは作業療法士の募集はありません。

次いで新聞の折り込みチラシから作業療法士の募集を調べていましたが、転居後の地域には病院の数が予想以上に少なく、作業療法士として就職するのは無理そうだということがわかってきました。

そんなことを約一年続けた後、ネットで地域特化型、かつ医療特化型の転職エージェントを見つけて登録し、面接にも行きました。
残念ながら間もなくそのエージェント会社が倒産してしまいました。

お給料は特に問わない、作業療法士として働ければそれでいいというのが第一でした。
勤務時間は9時?17時、できれば残業がないこと、また週休二日を希望しました。

また、経験年数が長くなっていましたが、部門長が年下であっても私のほうは構わない・気にしないとお伝えしました。

作業療法士以外の求人情報も!広報をこまめにチェック

まさか転職エージェントが倒産するとは思わす、複数のエージェントに登録していなかったので、いつまで連絡を待てばいいのかわからなかったことでしょうか。
あまり急き立てても印象が悪いだろうなどと思った面もあります。

倒産がわかってからは大手のエージェントにも登録しましたが、テンプレート的なメールが届くばかりで転職に結びつきそうにないと感じました。
そのため、自治体の広報などをこまめに見るようにして作業療法士以外の求人情報も調べていきました。

自治体の情報管理部門の業務、前職の経験も活きている!

転職先は自治体の情報管理部門です。
市役所のデータ処理に始まり、市のホームページの更新やメンテナンス、他の部門からの紙詰まりやトナー交換やLAN接続の不具合などに関するヘルプ要請への対応、窓口に相談に来られる市民のお子さんやお年寄りの方のパソコンの操作相談まで、およそ「パソコン」「サーバー」「ホームページ」「インターネット」に関する業務は一手に引き受けています。

今は数年来の懸案事項であるらしい、市のホームページのリニューアルについて前担当者とともに設計の土台から見直しつつ、ユーザビリティの高いホームページにするべく奮闘しております。
高齢者の多い地域なのでスマホ対応よりもガラケー主体、かつ欲しい情報がすぐにわかるようにするという点では作業療法士の経験が活きているかなと感じます。

どんな職場でも前職の視点は活かせると知ってよかった

作業療法士として働いていた時期に、たまたま高度情報処理技術者試験でいくつか合格してライセンスを持っていました。
総合病院でもシステムを電子化した後のヘルプデスク的なことを経験して基礎的な知識があったことと、自治体の情報管理部門の求めているものがたまたまマッチしたのが一番大きな理由です。

よかったことは働くことができたことです。
作業療法士として医療機関で働くことにこだわっていたら自治体の情報管理部門で働くという選択肢は思いついていません。

またどんな職場にいても作業療法士の視点は活かせると知ったのがよかったことです。

あまり満足できない点は、給与面でしょうか。働ければいいとは言いつつも、業務内容から考えると低いように感じます。

想像と違ったことはたくさんありますが自治体に勤めるのも初めてなので仕方ないと思います。
想像と違って面白いのは市民の方がパソコンの相談に来られる点です。

初歩的なご質問や壮大な夢など幅広く聞かせていただけるのは、この部門ならではの醍醐味だと思っています。
そういうナマの声を集めて、いずれ市民教室やイベントなど何かの形で還元していけたら面白いのではないかと考えています。

思い切って別業種へ転職することをおすすめします

元々の仕事から他の業種へ移るのは、正直なところほんのすこし抵抗があるかと思います。
転職後はそれまでの慣習が通用しないので戸惑ったりストレスに感じることも多いでしょう。

それでもあなたがもし今のお仕事に何らかの閉塞感や不満を感じているとか、事情で辞めざるを得ない場合は思い切って別業種へ転職することをおすすめします。
なぜならそれまでのあなたの経験は何らかの形で必ず活きますし、結果的にあなたの職域が広がるからです。

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