介護職を辞めたかったdfhsさん(35歳・男性・東京都)が転職した体験談です。
仕事内容 | 介護施設の介護士から自動車販売店に転職 |
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年収 | 400万円から400万円で変化なし |
故郷に残って唯一働けたのが介護職だった
私が生まれ育った町は主力産業と呼べるものがなく、進学を機に町を離れる者は多いのですが、長男である私は家を継ぐ必要があるため、故郷に残って唯一働けたのが介護職、転職するまで10年働きました。
介護職は資格に応じて行える業務が制度上決められていますが、実際の現場では資格に拘わらず手の空いている者が業務を実行しなければなりません。
多世代家族が当たり前の時代であれば、介護は各家庭で行っていたものですが、核家族が増えている今日では家事も介護の一環になっており、何処までを担うべきなのか、ここまですべきなのかの葛藤を抱えながら日々取り組んでいます。
介護施設は民間・公的・種類によって介護の何処までを担うかが異なりますが、これはあくまで制度上のことであって、要介護者(利用者)にとっては理解が困難なため、実際の現場では資格や制度に拘わらず対応しなくては、助けを求める方を放置することになってしまいます。
仕事を休めない…家族と介護どちらが大事なの?と聞かれて
介護職は非常にやりがいのある仕事であることは確か、介護スタッフだけでなく、要介護者の家族の苦労や大変さ、制度上の限界も十分に理解しています。
だからこそ、介護スタッフは介護の砦になってしまい、心身共に大きな負担を抱えています。
介護業界は慢性的な人手不足が続いており、離職率も高く、どこの介護施設もギリギリの人員で業務を辛うじて熟しています。
系列の介護施設を持つ大手であれば、人員を融通させることが可能かもしれませんが、過疎化が進む私の町では不可能、体調不良であっても介護スタッフは仕事を休むわけにはいきません。
子供の学校行事は、運動会など要介護者を連れて行けるものでないと参加は困難、働く自分は理解をしようと思っても、家族と介護どちらが大事なのと聞かれた時に、このままでは家族を犠牲にし続けると思い転職を考えました。
手先が器用でメカ好き、出入り業者の車屋さんに相談
私が育った町は田舎であったため、自転車や電化製品などが壊れても業者さんが直ぐに来てくれることはなかったため、自分で直すなどしなければなりません。
手先が器用だった私は介護施設で働いている時も、機材のメンテナンスを担当、たまの休みには送迎で利用する車両の整備もしていました。
もし、私の住む町の車屋さんが従業員を募集していたら就職をしていたほどメカ好き、転職をする際に相談したのは介護施設に出入りしている業者さんでした。
私は自身の両親が健在で兼業農家でもあったため、金銭面を転職先に求めませんでした。
唯一求めたのは決まった休日、介護職ではキャリアを積むほど自身の休みは後回し、週一の定休日があれば今までの自分からしたら十分でした。
スタッフと顔見知りの自動車販売店に転職
私が転職することになる自動車販売店は点検や整備などもしており、私が働いていた介護施設の送迎車もこの販売店から購入、購入後のメンテナンスもお任せするなど顔見知りでした。
販売店の代表は私の親と同世代、そのため日頃から相談に乗ってもらうこともあり、他の介護スタッフにとっても良き理解者でした。
人員ギリギリの職場から人材を引き抜かれたら、他の介護スタッフは堪ったものではないのですが、その代表は他のスタッフとも交流があり、あの代表の会社ならと他のスタッフは理解してくれました。
しかし、人材が減って困るのは他のスタッフ、そのため休日や送迎車のメンテナンスがてら介護のお手伝いは今も続けています。
朝7時30分までには出社、販売のほかに軽作業も
自動車販売店で一番儲かるのは中古車を販売した時、アフター補償がなければ1台あたり20万円ほどの儲け、新車は販売しても数万円の儲けにしかなりません。車は耐用年数が長期に渡るため、コンスタントに儲けるには販売した車両のメンテナンス(整備や修理など)を任せてもらわなければなりません。
販売店としては午前10時からオープンなのですが、整備は朝8時から行い、会議等の時間も必要なため、朝7時30分までには出社しなくてなりません。
整備は資格を有する者が担うのですが、お客さんからお金を頂かない軽作業(タイヤ交換、パーツの取り付けなど)は資格を持たない者もしなくてはなりません。
車を販売した時には、今までお客さんが使用していた車両を買い取るのですが、田舎では誰が何を乗っているかを住民は知っているため、安く下取っても地元の方に売ることは困難、そのため知り合いの業者に転売もしくは他の車両と交換をして店頭に並びます。
前職と比べると精神的なストレスは低い
前職である介護職への理解がある職場であったから、正社員採用されたので転職先を最優先するのは当然ですが、休日などを利用して介護のお手伝いを認めてくれたことが最も大きい転職の要因です。
都会と違って、田舎では仕事を見つけることは容易ではなく、住まいから通える範囲の就職先は限られるのが実情です。
その中で、休み・収入・やりがいのどれを優先させるかを考えた時、心身ともに疲労していた私は定休日が設けられていた会社に転職したいと考えたからです。
介護は深夜・早朝・休日に関わらず必要とされるため、施設から出たら私は関係ないと割り切れる方でないと、精神的なストレスを抱えてしまいます。
一方、自動車販売店が扱うのはガソリンやオイルで動く車両、取り扱いを間違わなければ、多少放置をしても危険が及ぶことはありません。
自動車は、故障をしても容易に交換パーツを入手出来るため、生命に関わる介護職と比べると精神的なストレスは高くありません。
介護士であれば介護、整備士であれば整備のように、士業はその業務に徹すれば良いのですが、車関連の資格を持たない販売員の私は オールラウンドプレーヤーとして幅広い知識が求められ、他のスタッフなどから整備等を習うこともあります。
ネットが普及する現在は、車も業者を通さず入手が可能、そのため業者間だけが競争でなく、車のシステムはベテランスタッフも音を上げるほど高度化しているため、専門的なスキルも日々習得しなくてはなりません。
まずは自分の人生を優先させることが大事
「人生は一度きり」と言われるように、まずは自分の人生を優先させることが大事なのではと私は考えます。
仕事と恋愛は似ており、新しい恋が芽生えると失恋の傷を癒せるように、いざ転職をしてみると前職のことを考える余裕がないほど暫くは忙しいので、前職のことで悩む必要はありません。
自分が離職をすると業務が立ち行かなくなると考えるのは思い上がり、今までも何とかなってきたように、これからも何とかなるだろうと割り切らないと、人生は先には進めません。
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