美容師を辞めたかったqwertさん(23歳・女性・神奈川県)が転職した体験談です。
仕事内容 | 個人経営の美容院のスタイリストからアパレルブランドのセレクトショップ販売員に転職 |
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年収 | 280万円から350万円にアップ |
通信制の専門学校で勉強しながら美容室に勤務
高校卒業後の進路として、通信制美容専門学校と併用して勤務できる美容室に就職しました。
もともと髪いじりが大好きで、自由な髪型、自由な髪の色を謳歌できるだろうという割と浅い考えで美容師を選びました。
新卒で入社し、勤続年数は約3年8ヶ月。
まずは研修生として雑務をこなし、シャンプーや簡単な接客、スタイリストのアシスタント業務がメインでした。7名ほどいるスタイリストがいたのですが、日によってメインでアシストに入る担当者が変わるので、それぞれの癖や要望を声に出さず察しなければならないので、技術を学ぶよりも非常に難しい仕事でした。
スタイリング、カラーリングの塗布から仕上げ、パーマやアップスタイルなど経験を積んでいき、その間カットモデルを募集して技術を磨いていきました。2年3ヶ月ほどで実際に指名なしのフリー客に入るようになり、最終的にはスタイリストとして顧客をもちました。
美容業務以外に憧れがあった
まずは三年仕事をして見て、専門学校を無事卒業し、美容師免許も取得ができたことが一番の要因です。
当面の目標だった国家資格を取得できて、他美容室にも容易に転職ができると思ったことも一つですが、大きな要因は美容業務以外の仕事をやってみたい気持ちが強くなったからです。
高卒で就職し、他を知らずにずっと美容業務漬けだったので、他の仕事はどんなものなのだろうという好奇心がありました。
美容師を選ぶ前にアパレルの店員になりたかったという思いがあったので、免許を取りひと段落したら転職をしようとずっと考えていました。
三年間、ひたすら美容業務のみやり、少ない休日も研修やショーに費やしたので、自由な空気に憧れがあったのかもしれません。
転職するために動き回った時代
思い立ったら吉日、再就職先を決めずに退職の意思を伝えました。まだ20代前半と当時は若かったので、どうにでもなると簡単に考えていました。
当時はインターネットサービス自体が普及しておらず、まだ転職サービスなど充実した支援はありません。ハローワークすらも神の時代だったので、とにかく職を見つけるには飛び込みで電話をかけるか、ひたすら新聞の折り込みチラシを見るしか方法はありませんでした。
失業給付金をもらいながら、働きたいアパレルブランドの入ったビルをひたすら探して、店舗に貼ってある求人広告を探す日々でした。折り込みチラシなどは掲載されていてもとっくに募集が終了している、なんてざらになったので、とにかく気になる職種全てに応募していました。
まずはやりたい職種どうか、次に勤務地が最適なのか、最後に、給与面はどうなのか。
給与については、美容師時代から最低賃金を割るような薄給だったので、高いのか安いのか正直判別がつかなかったので、ほとんど気にしていませんでした。
面接官の言葉に傷つくことも
面接をしている最中、今思えばセクハラモラハラまがいな質問をされることが多くありました。また、どうして免許を取ったのに美容師を辞めたのか、美容師をやればいいじゃないかと言われることが多くありました。
こちらとしてはきちんと区切りをつけて次のステップに進みたいから転職を試みようとしているのに、全否定されたような気になってさすがに気落ちしました。相手にとっては親切心や純粋な疑問での言葉なのだと今なら思えるのですが、当時はその余裕はありませんでした。
前職との繋がりを感じられる業界で良かった
美容師をやめて再就職した先はずっと憧れていたアパレルブランドのセレクトショップ販売員でした。
美容師をやめたとは言え、美容業界にわずかでも繋がっているような業界に気持ちが軽くなりました。
商業ビルに入っているセレクトショップでしたが、年齢層は幅広く、いろんなブランドを取り扱っているため、まずはどんな商品を取り扱っているのか、お客様にはどんなコーディネートをおすすめするのかを勉強しました。自らブランドの服を試着しマネキンになり、今一番店で売りたい商品をお勧めしていきます。美容師にはなかった攻めの接客に、馴染むまで苦労しました。
20〜30代の女性をターゲットにしていたので、同世代が好むようなブランドをセッティングするのも仕事の一つでした。
アルバイトから社員を目指しました
とにかく自分の好きなブランドが詰め合わさっているショップだったということです。雇用形態はまずアルバイトからでしたが、自分の裁量で販売量を決められるというのが、非常に魅力的でした。インセンティブはありませんでしたが、月間売り上げの表彰などもあったので、モチベーションの維持もできそうだと思ったことも一つの決め手でした。
よかったこと、まず第一に大好きな服を着て、自分を着飾っておしゃれすることが仕事であることが素晴らしく楽しいことでした。入荷した服を見て、これが欲しいあれを売りたいと仲間と話し合う瞬間は、とても楽しいものでした。
休日にセミナーに参加しなくても良い、ショーの準備に夜中まで美容室にいなくても良いという開放感は仕事への活力になりました。
逆に思うように満足できなかったのは、意外と裁量権が無く、社長の意向が強すぎてコーディネートの指定が多く思うように好きにできなかったことです。
想像と違ったことも同じく、入社前はコーディネートや販売の仕方は個人の裁量に任せると言ってくれたのに、実際には現場で決められることはほとんどなかったことでした。所謂空気を読むような自然な接客ではなく、入店からずっとそばにいて声をかけ続ける付きまとい接客を強要されたことも非常に嫌でした。
挑戦してから気づくこと
向いていることと好きなことは一致することはほとんどありません。だからこそ、好きなこと、やりたいことを我慢しないで一度挑戦したみたほうがいいと思います。
挑戦したことによって、今までの仕事がどれほど自分に向いていたのか、逆に今までなんてブラックだったんだ!こんな安月給で働かされていたのかと気づかされることが多くあります!

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