父の知り合いの紹介で食品会社の事務に|栄養士を辞めたい人の転職体験談

栄養士を辞めたかった特養・ケアハウスの栄養士さん(38歳・女性・福岡県)が転職した体験談です。

仕事内容 特別養護老人ホームの栄養士から食品会社の事務職に転職
年収 450万円から400万円にダウン

大学卒業後、管理栄養士として特養に勤務

福祉系大学を卒業し、管理栄養士を取得することができ、その後15年間特別養護老人ホームに勤めていました。
特養だけではなく、併設されたケアハウスについても管理栄養士2名で担当していました。

食材の受け取り・毎月のメニューの作成ももちろん管理栄養士の業務なのですが、ケアハウスの中に喫茶スペースがあり、日中はそこに常駐し、お茶やお菓子を提供しながら事務作業をしていました。
また、特養とケアハウスの間に距離がありましたので、2施設の食事を一括して調理していた厨房から、まずワゴンに乗せ換え、軽トラックに乗せ、50メートルほどの距離を運び、軽トラックから降ろして各フロアに運ぶ、という作業を3人で担当していました。

ケアハウスができて負担が増えたことが転職のきっかけ

入職した当初は特別養護老人ホームしか施設がなかったのですが、わたしが退職する数年前に併設でケアハウスがオープンしました。
管理栄養士は「安全な食事をおいしく提供する」という大前提がありますが、特養であれば介護が必要な入所者がほとんどであり、他に注意すべき点は飲みこみがしづらい人への対策などについて気をつけていました。

しかし、ケアハウスに入所している方は元気な高齢者ばかりなので、やはり食事への注文は多いし、特養で求められるものとは全く別の食事の楽しみです。
加えて、特養とケアハウスの食事を一括して調理していた厨房から、トラックをつかって運ばなければならなくなり、負担が増えたことが転職しようと思ったきっかけです。

父の知り合いに職場を紹介してもらった

転職を考えはじめ、やはり管理栄養士での採用を探していました。
しかし、転職が決まる前に退職してしまい、まずは実家に戻ることにしました。

実家は人口がすくない市であるため、わたしが管理栄養士としての転職を想定していた病院や高齢者施設には募集がありませんでした。
生活していくにも余裕がありませんでしたので、転職は急いでいました。

そこで活用したのが田舎ならではの地域のコネです。
父の知り合いの方からよさそうな職場の紹介をいただきました。

はからずも転職先は食品会社でした。
まずは「実家から車で通勤できる距離であること」を最優先に考えました。

給料は転職前よりは少なくなることを覚悟していましたので、アパートを借りることができなかったからです。

これまでと異なる仕事ができるのかとても悩んだ

15年間管理栄養士として仕事をしてきて、それとは異なる仕事ができるのかということにとても悩みました。
高齢者にとって食事は大きな楽しみであり、それを提供しているということが嬉しく思っていたのですが、別職種であれば仕事にどんな楽しみがあるか全く想像がつきませんでした。

また、父の知人から紹介していただいた転職活動だったので、どんなお礼をすればよいのか分からず、今考えれば過剰なお礼をしたような気もします。

食品会社だけど、仕事内容は全く違う事務作業

転職先は食品会社なのですが、仕事内容は全くの事務作業です。
外部からの電話を受けたり、発注した伝票を整理したり、工場の必要物品を管理することがわたしの主な業務です。

顧客からの電話対応などほとんどしたことがありませんでしたので、転職当初は大変でした。
前職でももちろんパソコンは使用していましたが、共通しているのはエクセル・ワードのみで、使用するソフトが全く異なります。

簿記の知識がありませんので経理業務はしていないのですが、将来は職員の給与計算なども担当になる予定です。
事務員の数は少ないので、時には切れた電球を交換したり、不具合がでた機械を見にいったりと何でもしないといけません。

前職の事務の方々の苦労がわかります。

大きな責任があり会社を動かしていることを実感

田舎にあるわたしの実家付近では、比較的大きな食品会社です。
経営も安定しているように思えましたし、何よりも実家から車で通勤できるということが入職を決めた理由になりました。

管理栄養士としての知識を求められなかったこともよかったです。

特別養護老人ホームの管理栄養士から事務職へ転職し、感じたことはやはり仕事の対象者が目で見えないことでした。
自分で考えたメニューで高齢者に食事を提供し喜んでもらえることが仕事のやりがいだったと思います。

特養の食事の時間は施設内を歩き、入所者に声をかけたりしていました。
しかし転職して事務職になってからは、仕事の対象者が顧客であったり会社のスタッフに変わりました。

もちろん目には見えないとはいえ食品を顧客に提供していますので、間接的には社会に貢献しているのでしょうが、わたし自身で実感することができなくなってしまったことは不満ではありました。

それでも別職種になったことで今まで知らなかったことを知ることができました。
何となくヒマそうに感じていた机上での仕事も、大きな責任があり会社を動かしているということを感じました。

それまでの経験がゼロになることはない

別業種への転職は勇気がいることだと思います。
わたしの場合は選択する時間がなく現在の会社に転職してしまったのですが、きちんとした職場であれば新しい仕事のやりがいを感じることができると思います。

それまでの経験がゼロになるということは絶対にありませんので、勇気をもって転職することも選択肢の一つとしていいと思います。

特養・ケアハウスの栄養士さんの転職満足度
4.5

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